特集ページ 台風大雨災害から1年 平成28年産にんじんを振り返って
2017.08.02
にんじん部会 鈴木部会長に当時を振り返ってもらいました。
被災当時
8月31日は、にんじん部会の道外市場訪問、懇談会で東京に行く予定でした。 幾寅が大変な状況になっていること、またにんじん選果場も浸水している状況は聞こえてきましたが、孤立状態でいかんともしがたい状況でした。 正確な情報がつかめない中、道外市場訪問は見合わせた方が良いのではないかという意見もありましたが、大変な状況だからこそ判る範囲で構わないので産地から情勢を伝えた方がよいと思い、副会長2名と事務局に託し、市場訪問と懇談会に行ってもらいました。 |
![]() 鈴木正良部会長 |
南富良野町のにんじん
濁流に流されたり、泥水をかぶり収穫不能になったにんじんは幾寅地区を中心に27㌶に及びました。収穫を断念せざるを得なかった生産者の気持ちを考えると忍びなく、まさに断腸の思いでした。 幾寅地区以外でも、傾斜地では農地が流され、6月以降の降水量の影響で生育は停滞し、南富良野町内の反収は平年の半分程度となってしまいました。 水害直後に、全道・全国からたくさんの激励・応援のメッセージを頂きました。復旧に向けての励みになり、9月末からの工場再開に繋げる事ができました。ありがとうございました。 |
販売部 東藤部長(当時)に被災後のJAの対応を振り返ってもらいました。
にんじん選果場の復旧作業
選果場の復旧作業は9月1日から開始しました。JA職員は20名から50名体制でほぼ1週間、泥出しと流木・ゴミ等の片付けに追われました。取引先の皆さんも応援に駆け付けて頂きました。 泥出しと並行して電気の復旧と選果場の復旧に向け業者の皆さんに調査に入ってもらい、泥出し完了後、順次復旧作業に取掛って頂きました。 |
![]() 東藤販売部長(当時) ![]() にんじん選果場泥出し作業 |
第2工場と協力業者
一方、被災を免れたにんじんの収穫・選別のために、上富良野町の旧大根選果場で9月1日よりにんじんの選果を開始しました。豊作だった前年、南富良野選果場の処理能力を超えた時に臨時操業した経験を踏まえ、急遽対応しました。 しかし、上富良野選果場の通常処理能力は南富良野選果場の5分の1程度しかありません。9月中旬以降再度本格化する収穫・選果に対応するため、にんじん選果施設を持つJAや青果業者に協力を打診したところ、4社に快諾を頂きました。 上富良野工場での残業と協力JA・業者を併せ、50%から70%程度まで処理能力を確保することができましたが、刻々と状況が変化する中で計画的な抜取・選果体制とならず、日々手探りの中での対応となりました。 |
![]() 上富良野にんじん選果場 |
にんじん選果場の操業再開
各業者の日夜に及ぶ修理・整備・点検により、9月27日、被災から1カ月弱で操業再開に漕ぎ着けて頂きました。以降も日々選果終了後に整備・調整を継続して頂き、10月28日、平成28年産のにんじんの選果が終了しました。 選果場の泥出し作業や、整備復旧作業、にんじん選果の他、掛かり増し経費への助成等、多数の行政機関や関係各社にご協力頂きましたことに改めて感謝申し上げます。 |
再び・・・にんじん部会 鈴木部会長に今年のにんじんの状況を伺いました。
平成29年産のにんじん
![]() にんじんの生育を確認する部会役員 |
平成29年産のにんじんは、217㌶で、前年計画対比で2㌶減とほぼ前年並みとなりました。4月から6月は、降雨により播種できない時期もありましたが、昨年に比べれば概ね順調な播種が出来たと言えると思います。 6月は低温と日照不足で生育が若干足踏みしましたが、7月に入り天候は回復し、特に早出し地区での肥大は順調です。 選果スタートは例年並みの7月24日となりました。 |
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