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特集ページ 台風大雨災害から1年 南富良野町 磯野雅彦さん

2017.06.30

南富良野町 磯野雅彦さんに被災時の状況とその後の復旧作業、今年の作付け
についてお話を伺いました。

被災時の状況と復旧作業  

 自宅は避難所だった「みなくる」の下流、JAのにんじん選果場の前です。決壊した空知川の水が流れ込み、堤防で逆にせき止められて、周囲は1.8m位の高さまで水に浸かりました。
 被災後はひたすら家の片付けと、倉庫の片付け。ボランティアの人達に助けて頂きました。
 農地については局地激甚災害指定も頂き、おおよその復旧は見えてきました。ただ、昨年の種イモ畑は、被災前に収穫できたのは1割だけ、残り9割は手付かずで残り、そのまま越冬したので、雪が解けてから野良イモを拾いました。

磯野雅彦さん
JAふらの南富良野支所
ビール大麦耕作組合組合長

流木を片付けるボランティアの皆さん

 この春一番ショックだったのは、トラクタが駄目になってしまったこと。被災で水に浸かってしまったトラクタ4台は、直後に修理に出し、オーバーホールしてもらって秋には帰ってきて使っていたのですが、春作業でPTOに大きな負荷をかけた途端にオイル漏れが発生したようです。
 機械の中枢部分の隙間にわずかに残って取れなかった細かい砂の影響ではないだろうか。53馬力で、使い勝手が良い一番汎用性のあるトラクタが使えない状況はなかなか厳しいです。
 自身の年齢も考え、代わりのトラクタをどうしようか、悩ましいところです。

今年の作付け        

 復旧工事で土砂の除去と客土・堆肥投入してもらい、「見た目」は復旧した畑でも、畑の「状態」としては完全には復旧しておらず、昨年並みに収量確保できるかどうか、生産者は皆不安を抱えています。
 自分は自宅脇のビニールハウスが潰れてしまいました。種イモの目出し(浴光催芽)用に使っていたハウスです。
 今年は目出しが充分とは言えない状況なので、こういったことも今年の収量に影響するのではないだろうか。
 雪解けは早かったものの、4月は低温だった影響で、大麦の播種は例年より1週間程度遅れ気味。今後の天候回復に期待したいところです。

農地の復旧事業 客土(きゃくど)
種イモ産地として  
 幾寅は種イモの産地。昭和8年に種イモの栽培を始め、昭和23年に部会を立ち上げて産地づくりを進めてきました。種イモづくりの大敵は「野良イモ」。昨年収穫できなかったイモ畑は、この春に野良イモ拾いをしましたが、完全には取りきれません。この畑は今年休耕し、野良イモをやっつけてから、次年度以降輪作しながら作付けしていく予定です。避難所から流れてきた生活ゴミなんかも畑からたまに見つかるので、拾っていかなければなりません。
種イモ畑 6月中旬
消費者の皆さんへ
ビール大麦畑 6月中旬

 磯野家は明治38年に南富良野に入植してから自分で4代目。営農開始から111年目の昨年は大変な年になったが、112年目は気を取り直して頑張るよ。
 自分はビール大麦耕作組合の南富良野の長をやっていて、南富良野はじめJAふらので収穫された大麦はサッポロビールに出荷されておいしいビールになっているんです。南富良野を応援するためにも、ビールはサッポロビールをヨロシク!(笑)