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特集ページ 台風大雨災害から1年 南富良野町 黒田晴彦さん

2017.06.27

南富良野町 黒田晴彦さんに当時のお話をお伺いしました

空知川決壊時の様子

 8月30日の午前中は、ミニトマトの収穫作業をしていました。川沿いのハウス3棟分を終わらせて倉庫に仕舞い昼休みにしました。
 自宅の窓から空知川が見え、だんだん水位が上がり、流木等が流れて、ただ事ではない状況だと思っていたところ、午後3時過ぎ、役場から自主避難するようにとの連絡があったので家族7人で避難所(みなくる)に避難しました。
 それでも自宅やハウスが心配なので、午後5時頃に一度自宅に戻ろうとしたのですが、山畔地区に渡る橋が通行止めになっていて戻れませんでした。

 その夜は不安で眠れずにいたところ、31日の未明2時頃、避難所で役場職員から「空知川が決壊した」と一報がありました。1階にいた人たちを2階へ誘導していたら、ものの5分から10分で避難所の1階に濁流が入ってきました。間一髪、みんな水に濡れずに何とか助かりました。その後、みなくるから小学校へ、避難所を移動しました。


黒田晴彦さん

大洪水が引いてから


氾濫した空知川の様子
 9月1日、水が引いた後すぐに自宅まで様子を見に行ったのですが、橋に流木が絡まり渡れずに帰ってきました。翌2日、復旧工事に入っていたユンボに乗せてもらい、ようやく山畔地区に入りました。
 倉庫の中ではトラクタや作業機がすべて流木や泥にまみれており、倉庫の壁に残った泥水の跡からすると、1.8m位まで水に浸かってしまったようです。もちろん自宅も。
 ビニールハウスは11棟あるうち、川沿いの3棟は流され、自宅周りの3棟もやられました。残った5棟も、ビニールが泥まみれになり使えなくなってしまいました。にんじんや種馬鈴しょの畑も、ハウス内も、80cmから深いところでは120cmほど泥が堆積してしまいました。

復旧作業開始とボランティア


住宅の泥出しを手伝うボランティアの皆さん
 自宅や倉庫の泥出しは、ボランティアの人たちが手伝ってくれました。延べ500人位来てくれたのではないでしょうか。高校生や大学生が大型バス2台で応援に駆け付けてくれたこともありました。本当にありがたく思いました。
 応援に来てくれた人たちが口々に「また来年もミニトマト作ってくださいね!」と励ましてくれたので、もう一度やろう、という気持ちになれました。

農地・施設等の被害と今年の営農計画

 農地は90%が水や泥の被害を受けていますが、畑の泥は復旧事業で除いてもらえました。今年作付が可能になった畑には、南瓜は昨年並みの面積、にんじん、スイートコーンは若干縮小し作付する予定です。昨年種子馬鈴しょを作付した圃場は『野良生え』が怖いので、今年は休耕します。
 流されなかったハウスには、主力のミニトマトを4月下旬に定植、自宅まわりのハウス3棟を春に建て直し5月上旬に定植しました。川沿いにもあと2棟も立て直して定植します。ミニトマトは何とか前年並みの面積を維持できました。

農地の復旧事業
客土(きゃくど)

これからの意気込み


黒田さんと植えたばかりのミニトマト

 避難したときの自家用車もダメになり、農業機械も全部整備が必要になりました。自宅も住めないので今は市街地の公営住宅を借りてハウスや畑まで通ってます。
 衣服類も水没しました。昨年の作物はほとんど流されてしまっているので、昨年の収入もほぼゼロ。まさに衣食住が無い状態から再スタートです。まず生活費が欲しいくらい(笑)。

 でも応援してくれたボランティアの人たちがいたので、再起する気持ちになれました。頑張ってミニトマトを作るので、消費者の皆さんにはたくさん食べて欲しいですね。

 

 

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